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ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気とは?|丸顔で大きな瞳、ちょっぴりわがままな猫

ブリティッシュショートヘアは、その名の通りイギリスを代表する猫種で、約2000年前、ローマ帝国によってイギリスに持ち込まれた猫がその起源と考えられています。
ブリティッシュショートヘアの特徴的な丸い顔と大きな瞳、そしてふわふわとした短い被毛は、多くの飼い主様を魅了してやみません。

今回は、ブリティッシュショートヘアの特徴やかかりやすい病気やその治療法、予防法などを詳しく解説します。


■目次
1.ブリティッシュショートヘアという猫種の特徴
2.ブリティッシュショートヘアは肥満になりやすい?
3.ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気
4.ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気の治療法
5.ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気を予防するには
6.まとめ

ブリティッシュショートヘアという猫種の特徴

ブリティッシュショートヘアは、丸顔にしっかりとした骨格、美しいダブルコートの短毛が特徴の、とても人気のある猫です。元々ネズミを狩るためにイギリスに持ち込まれた背景があるため、運動能力が高く、賢い一面も持っています。

性格はおおらかで落ち着きがあり、家庭内でのんびり過ごすのが好きです。ただし、少しわがままで気難しいところもあるので、飼い主様以外の人との触れ合いは少し苦手かもしれません。
子猫の頃から成猫になるまではおもちゃでよく遊び、活発に動き回りますが、中年齢以降になると運動量が減り、太りやすくなるので、肥満には十分注意が必要です。適度な運動とバランスの取れた食事を心がけてあげてください。


ブリティッシュショートヘアは肥満になりやすい?

ブリティッシュショートヘアは中年齢以降になると活動量が減る傾向があります。しかし、食欲はそのままのことが多いため、食事量を管理しないと肥満になってしまいます。
「肥満は万病のもと」という言葉もあるように、猫にとっても肥満は健康に悪影響を与えるので注意が必要です。

肥満になってしまうようであれば、ダイエット用フードに切り替え、おやつを控えることが重要です。また、キャットタワーの設置や、おもちゃで遊ばせることで運動量を増やし、体重管理を行いましょう。


ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気

ブリティッシュショートヘアに多く見られる病気を3つご紹介します。

<糖尿病>
糖尿病は血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌量の低下や、インスリンに対する抵抗性が原因で血液中のブドウ糖(血糖)が増えてしまう病気です。
猫の糖尿病の原因は肥満、膵炎、不適切な食事などがありますが、ブリティッシュショートヘアは肥満になりやすいため、肥満が原因となる糖尿病が多く見られます。

糖尿病はこちらで解説しています

<FIP(猫伝染性腹膜炎)>
猫に下痢を引き起こす猫腸コロナウイルスが突然変異して猫伝染性腹膜炎ウイルスになると、FIPを発症します。
FIPはブリティッシュショートヘア、ヒマラヤン、ラグドール、アビシニアンなどの純血種で多く発生すると報告されています。

FIPについてはこちらで解説しています
FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療とは

<肥大型心筋症>
肥大型心筋症は猫に最も多い心臓病です。
この病気では左心室の心筋が厚くなり、硬くなることで心臓が十分に拡張できなくなり、血液を受け入れることが難しくなります。結果として左心不全(鬱血性心不全)となり、肺や胸腔内に体液が貯まり、最終的には命に関わることもあります。

肥大型心筋症はこちらで解説しています

これらがブリティッシュショートヘアがかかりやすい主な病気です。しかし、他にも慢性腎臓病や尿石症など、猫全般がかかりやすい病気にも注意が必要です。

ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気の治療法

<糖尿病の治療法>
血糖値を管理するために糖尿病用の療法食への切り替えや、インスリン注射を行います。
インスリン注射は基本的に毎日複数回行う必要があるため、飼い主様が自宅で行うことになります。血糖値の管理に加えて、適切な体重管理も大切です。

<FIPの治療法>
FIPはこれまでは治療が難しい病気とされ、発症するとほぼ確実に命を落とす病気でした。
しかし、この数年でFIP治療に大きな進展があり、特定の薬剤を使った治療法が報告されています。これらの薬は海外からの輸入となるため、治療可能な動物病院は限られています。

当院ではFIPの治療に力を入れておりますので、お気軽にご相談ください。

当院のFIP治療特設ページはこちら

<肥大型心筋症の治療法>
肥大型心筋症そのものを治療することはできませんが、症状に応じた適切な治療を行うことで進行を遅らせることが可能です。そのため、定期的に心臓のエコー検査を行い、病気の進行具合を確認することが大切です。
初期から中等度の場合は、βブロッカーやACE阻害剤、抗血栓薬などを使って治療します。重度の心不全や肺水腫、胸水貯留が見られる場合は、利尿薬や強心剤を追加します。


ブリティッシュショートヘアがかかりやすい病気を予防するには

残念ながら肥大型心筋症の予防法はありませんが、肥満や糖尿病は飼い主様の意識次第で十分に予防することができます。おやつを与えすぎないようにし、高カロリーのフードはできるだけ控えましょう。また、毎日おもちゃで遊んであげるなどして、理想体重の維持に努めましょう。

FIPはウイルス感染が原因であるため室内飼いを徹底し、野良猫との接触を避けることが大切です。また、ストレスは免疫を低下させ、FIP発症の可能性を高める要因となりますので、ストレスをできるだけ避けるようにしましょう。

年に1〜2回は動物病院で健康診断を受診しておくと、これらの病気の予防や早期発見・早期治療に繋がります。愛猫の健康を守るため、定期的なチェックを忘れずに行いましょう。


まとめ

ブリティッシュショートヘアは、その愛くるしい丸顔と美しい毛並みで、特に海外で人気のある猫種です。性格はおおらかで落ち着いていますが、猫らしくわがままで気難しい一面もあり、一緒に暮らしていてとても楽しい猫です。

肥満や糖尿病は、飼い主様の意識次第で十分に予防できるため、時には厳しく食事管理を行いましょう。FIPや肥大型心筋症、慢性腎臓病などの予防は難しいですが、定期的な健康診断を心がけて病気の早期発見・早期治療に努めてください。


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