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FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療とは

FIP(猫伝染性腹膜炎)の治療とは

FIP(猫伝染性腹膜炎)・MUTIAN Xraphconnについて

当グループ院であるアリーズ猫医療センターにて、MUTIAN Xraphconn(ムティアン ラプコン)の取り扱いを開始しました。
MUTIAN Xraphconn(ムティアン ラプコン)とは、不治の病とされていたFIPに対して有効だと報告されている製品です。
FIP治療薬として、MUTIAN Xraphconn以外にも様々な製品が存在します。しかし現状においては投薬量や製品の安定性の報告も少ないため、当院ではFIPの治療薬としてMUTIAN社製のXraphconnを選択しています。
今回はFIPとその治療方法についてご紹介します。



FIP(猫伝染性腹膜炎)とMUTIAN
目次
❶FIP(猫伝染性腹膜炎)とは
❷FIPの症状
❸FIPの診断法
❹従来のFIP治療法
❺新しいFIP治療法
❻MUTIANとは
❼今後のFIP治療

❶FIP(猫伝染性腹膜炎)とは

FIP(猫伝染性腹膜炎)について

FIPとは、猫コロナウイルスによって引き起こされる、致死率の非常に高い病気です。
猫コロナウイルスは本来、病原性が高いウイルスではありません。しかし何かの原因で体内にて突然変異を起こすことによって、致死性の高いFIPウイルスに変わります。
高齢で発症することもありますが、多くは2歳以下と報告されています。また、多頭飼育下でも発症しやすいとも言われています。


❷FIPの症状

FIPは症状によって大きく以下の2つに分かれます。

wet type

腹水や胸水が溜まってきます。腹水では腹囲膨満、胸水では呼吸異常が現れることが多いです。


dry type

色々な臓器に病変を形成します。wet typeのように体内に液体が貯留しないため症状がわかりにくいです。病変部位によって様々な症状がでます。
どちらのタイプも同様に、元気や食欲の低下、抗生物質に反応しない発熱、体重減少などが認められます。FIPに感染した猫ちゃんは、目の色が赤くなったり、白くなったり、黒目の周りの色が変色することもあります。また、神経症状が見られることがあり、眼振や運動失調、発作などの症状も引き起こします。


❸FIPの診断法

FIPは様々な症状を示すため、FIPかそれ以外の病気かの正確な診断が重要です。
血液検査・画像診断検査・遺伝子検査など、各種検査を組み合わせることによって診断を行っていきます。
FIPを治療するにあたり大事なことは、早期発見、早期治療です。FIPは発症すると致死性がほぼ100%と言われており、また、平均の予後が9日間ととても短い病気です。
そのため、早期の診断・治療が必要となります。


❹従来のFIP治療法

従来のFIP治療法

今までFIPに対して有効な治療法はなく、不治の病として扱われてきました。具体的にはステロイドや、インターフェロンという免疫調整作用のある注射などです。症状緩和と進行抑制を期待する対症療法がありましたが、完治にはいたりませんでした。
しかし最近では、いくつか著効のある治療法が報告されています。


❺新しいFIP治療法

新しいFIPの治療法

近年、FIPに有効な抗ウイルス薬として、MUTIAN Xraphconn、CFN、モヌルピラビル(新型コロナウイルス治療薬)などが報告されています。
当院の治療では、MUTIAN社製のXraphconnという製品を使用します。国内では未承認の動物医薬品という扱いになりますが、すでに世界中で数千の治験例があり、高い有効性が報告されています。MUTIANを取り扱う動物病院は全国的にも増えています。
また、当院ではFIPの治療を行うにあたり、アドバイザーとしてユーミー動物病院の佐瀬興洋先生をお招きしています。佐瀬先生は、数多くのFIPの猫ちゃんの命を救われてきた、FIP治療の最前線で活躍される先生です。
(ユーミー動物病院のHP)


❻MUTIANとは

FIP治療薬MUTIAN

当院で使用しているMUTIAN Xraphconnとは、FIPの治療に有効とされている製品です。日本では未承認の動物医薬品として取り扱われていますが、2020年に報告されてから、現在まで様々な病院で治療が行われてきました。
MUTIAN Xraphconnの有効成分はGS-441524だと考えられており、このGS-441524がウイルスの増殖を抑えると言われています。
副作用として、血液検査における肝数値の上昇(肝臓で代謝が行われるため)や下痢・嘔吐などの消化器症状の報告があります。まだまだ不明瞭な点も多いですが、上記の副作用は許容範囲のものであり、定期的な検査によって、副作用の有無を確認していきます。


❼今後のFIP治療

猫専門動物病院アリーズのFIP治療

現在、上記の治療だけでなく、世界中でFIPに対する研究が進んでいます。
その中には、新型コロナウイルス感染症に有効だと報告されているレムデシビルやモヌルピラビルも含まれています。
これまで不治の病とされていたFIPですが、治療可能な病へと変わる日までそう遠くはないでしょう。



FIPでお悩みの方は、アリーズ猫医療センターへご相談ください

猫専門動物病院アリーズ猫医療センター

FIPでお悩みの方は、猫専門動物病院のアリーズ猫医療センターへご相談ください。
家族の一員である猫ちゃんの命を救うため、また飼い主様の気持ちに寄り添えるよう、我々も全力を尽くしていきます。

アリーズ猫医療センター
診療時間: 9:00~12:00 / 16:00~19:00
休診日: 年中無休
住所:東京都渋谷区笹塚1-30-3
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